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歯科技工士を知っていますか

こんにちは

歯科技工士の添田です。

皆さんは歯科技工士という職業をご存知でしょうか。

虫歯が広がってしまった、歯が抜けてしまったなどの理由で人工の歯を入れなければならないとき、その方にあった補綴物を作ることが主な仕事です。他にも矯正装置を作ったりマウスピースを作ったりもします。

ピンク色のおいしくない材料を入れられて歯型を取られたことがある方もいらっしゃると思います。その型に石膏を流し込み固まると、患者様個々の歯型を再現できる模型になります。それを技工所という専門の施設に送ると歯科技工士が様々な器具や機械を使いながら一つのかぶせものを作り上げ、最終的にお口の中に入ります。

日本では資格を取るために専門学校に行き卒業前に試験を受けて合格しなければなりません。私が学生だった頃、アルバイト先で技工士の学校に行っていると話したら、「歯医者さんにいる人でしょ?」と言われ、それは歯科衛生士だろうなぁと思いつつ説明をしたら、そんな仕事があるんだと驚かれ、知名度の低さを感じました。数十年前までは男性の仕事というイメージが強かったようですが、今では女性も増えており男性に負けないぐらいバリバリ仕事をしている人もたくさんいます。どちらかというと裏方的な存在であり、技工所に勤めていると実際に患者様にお会いすることはほとんどありません。なので技工士を知っている方でも、歯科医院内にいるのは珍しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

よく初対面の方にはなんでそんな仕事を選んだの?と聞かれます。

まずは作ることが小さいころから好きだったから。

そして一番大きかったのは祖母の存在でした。

祖母は私の記憶があるころから義歯を入れていました。初めて作ったものは合いが悪かったようで、別の医院で作り直したところとてもぴったりしていて自分の歯みたいだとよく言っていました。思えば確かに義歯を入れているようには見えないほどなんでも食べていました。当時おそらく小学校低学年だった私に対して、作ることが好きなんだから技工士なんか向いているんじゃない?入れ歯とか作るひとだよ、と言っていたことを、20年以上経った今でもはっきりと覚えています。その時にそんな仕事があるんだということを初めて知りました。

大きくなるにつれて会いに行く機会も減り、そんな言葉は忘れていましたが、自分が何をしていきたいのかということを考えたときに、やっぱり作ることが好きだから祖母が言っていた歯科技工士になろう、と自分でも驚くくらいにすんなりと決めることができました。残念ながら私が高校生の時に祖母は亡くなり、小さかった私に言ってくれた言葉を覚えていたのかももはや定かではありません。ただ今でもこの仕事を続けられているのは祖母の言葉があったからだと思います。

 

荒井歯科医院では私は主に義歯の修理や仮歯の作製、マウスピースの作製を行っています。

院内にいることで、その日のうちに仮歯を入れてお帰りいただけたり、壊れてしまった義歯をすぐ修理してお返しできたりというメリットがあります。

何より患者様とお話しできたり、きれいにしてくれてありがとうと言ってくださることがうれしいです。

技工所のように特別な機械がなくてもできる仕事はまだまだあるので、今後医院内での仕事の幅を増やしていきたいと考えています。

皆様のお役に立てるよう頑張ります。